テスラの特許について、イーロン・マスク氏が発明者に名を連ねる特許ってあるのかしらと、ふと気になりましたので、少し調べてみました。
さらっと結果をお届けしますね。
結果としましては、2件の特許ファミリーについて、発明者に、”ELON MUSK”のお名前がありました。意外に少ない印象です。
1件目は2012年に出願された、”Funnel shaped charge inlet”という特許です。
電気自動車のインレット(充電口)に特徴がある特許のようです。やはり、テスラといえば電気自動車ですので、インレットへのこだわりがあるのは頷けます。
2件目は、2019年の特許 “Autonomous and user controlled vehicle summon to a target”です。
この特許は、10件ものファミリーがあり、日本にも出願されています。
かなり本気度の高い特許であると推測されますね。
日本語タイトルは、”ターゲットへの自律的かつユーザ制御式車両呼出し”とあります。
要約や請求項を眺めますと、機械学習モデルを用いて、目的地まで、自動で車両をナビゲートするようです。
明細書全文で、ワードクラウドを作ってみますと、以下のようになりました。

“目的地”,”ナビゲート”,”センサデータ”あたりが頻出語として大きな文字になっており、”自動的”,”遠隔”,”駐車”,”占有グリッド”などの気になるキーワードもあります。
自動運転レベル4以上という感じですね。実際に、このような自動車が実現できるのであれば、とても楽しみです。
ただ、ファミリーの大元となる、アメリカの特許は、現時点では拒絶理由が通知されています。出願人であるテスラ側も色々と反論しているようですが、なかなか判断は覆らず拒絶となる可能性が高そうです。
日本では、まだ審査前の段階ですが、今後どうなるのか気になりますので、引き続き注目したいと思います。
テスラ特許全体のマクロ分析については、知財統計レター「テスラの特許をマクロ的に統計分析してみました」でも取り上げておりますので、そちらも併せてご覧ください。
福嶋久美子